インフルエンザとは
インフルエンザは毎年冬に流行し、風邪と比べて症状が強く現れ、高熱が出ることが特徴です。 症状は3日から4日ほどで改善していきますが、周囲への感染リスクを下げるため、外出は1週間ほど控えていただきます。インフルエンザは予防接種を受けることで、感染リスクを下げることができます。
インフルエンザの原因
インフルエンザは、A型・B型・C型の3つあるインフルエンザウイルスのうち、いずれかに感染することで発症します。 3つのうち、冬に流行しやすい季節性インフルエンザはA型とB型です。 A型インフルエンザは144種類の亜型に分かれ、一部のウイルスは変異していくため、一度感染したとしても再び感染してしまうことも多くなっています。
一方、B型はウイルスが変異しにくく、C型になるとさらに変異の確率が低くなります。 そのため、C型のウイルスに対する抗原があれば長期間感染しにくいということが分かっています。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザの感染経路は、感染している人のくしゃみや咳などの飛沫によって、ウイルスを吸い込むことで感染する「飛沫感染」と、ウイルスが付着した物に触れることで感染する「接触感染」の2つがあります。 インフルエンザは風邪のウイルスと同様に、鼻やのどなどからウイルスが侵入し、粘膜に吸着して増殖することで発症します。
また、B型インフルエンザやC型インフルエンザは人間のみ感染しますが、A型インフルエンザは、鳥類や豚など人間以外の哺乳類にも感染します。 動物にのみ流行していたウイルスが変異して人間にも病原性を示すようになれば、新型インフルエンザとして感染が広がります。この場合は、感染している動物の排泄物などから感染が広がります。
インフルエンザの症状
インフルエンザは、ウイルスに感染してから1日から3日ほどの潜伏期間で症状が現れます。 主な症状として、急激な高熱(38度以上)、関節痛、筋肉痛、悪寒、頭痛、のどの痛み、鼻水、倦怠感などが現れます。
インフルエンザの症状は、風邪の症状よりも現れるのが早く、さらに風邪よりも症状が強いという特徴があります。 免疫力が低い、高齢者、乳幼児、妊婦などは重症化しやすく、肺炎や脳症といった合併症を引き起こす場合もあるため注意が必要です。
インフルエンザの検査および
診断
インフルエンザの疑いがある場合は、細長い綿棒を鼻から挿入して粘液を採取し、迅速キットにてウイルスの有無を確認します。検査結果は10分から15分ほどです。
ただし、発症から12〜24時間経過していなければ、正しい結果が出ない場合もあるため、検査が陰性だとしても、インフルエンザが疑われる場合は、翌日に再度ご来院頂き検査を行います。
インフルエンザの治療
タミフル | ゾフルーザ | リレンザ | イナビル | ラピアクタ | |
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特徴 | 実績が豊富で以前より使用されている。 | 利便性の高さが優れている。ただし耐性ウイルスが現れている。 | 実績十分な吸入薬。ただし、乳製品アレルギーの方は使えない。 | 十分に吸入できれば1回の吸入で治療が完了する。 | その他の治療薬が使用できない場合に使用する。 |
形状 | 錠剤タイプ | 錠剤タイプ | 粉末タイプ (吸入) |
粉末タイプ (吸入) |
点滴タイプ |
形状 | 錠剤タイプ | 錠剤タイプ | 粉末タイプ (吸入) |
粉末タイプ (吸入) |
点滴タイプ |
使用方法 (予防) |
錠剤タイプ | 錠剤タイプ | 粉末タイプ (吸入) |
粉末タイプ (吸入) |
点滴タイプ |
使用方法 (治療) |
錠剤タイプ | 錠剤タイプ | 粉末タイプ (吸入) |
粉末タイプ (吸入) |
点滴タイプ |
インフルエンザの治療は主に対症療法にて行います。 高熱やのどの痛みには解熱鎮痛剤、鼻水などには抗ヒスタミン剤、インフルエンザウイルス増殖の抑制には抗インフルエンザ薬を処方します。
インフルエンザの予防方法
インフルエンザの予防には、予防接種の他に、日常生活の中でウイルスに感染しないようにすることが重要です。 外出先から戻った後のうがい・手洗い、人混みが多い場所ではマスクの着用を行いましょう。
また、免疫力が低下しているとインフルエンザに感染しやすい原因となります。日頃の栄養摂取や睡眠を管理し、インフルエンザに感染しにくい健康な身体づくりを意識することも大切です。